女子高生の私と不機嫌な若頭


『……あれ?雄哉は?翔子さんも組長さんも……三宅さんもいない』


「あぁ、帰った。今日は宴会だからな、その準備で忙しいんだ」


宴会?……まさか卒業したからかな?


「行くぞ」


そう言って私の肩を抱く


『あ、うん。……沙耶、またね』


学校を後にして、私たちは車に乗り込む
今日の車は……赤いスポーツカー


これ、煩いんだよな……
エンジンをかければ、爆音。
生徒のみんなや保護者の……若目の親達は興味津々だし、涼介さんを見る目が凄い


そんな隣にいる私……恐縮です。
爆音とともに走り出す
そしてすぐ気がついた


『……どこか寄るの?』


家とは正反対の方向
涼介さんの返答は……


「いいところ」


不敵な笑みだった
絶対良いところじゃないのは一目瞭然。
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