女子高生の私と不機嫌な若頭


着いたのは……マンション
駐車場に車を停め
涼介さんが珍しくドアを開けてくれた


「どうぞ……」


そう言って手を差し伸べてくれる


『ふふっ、なんかお姫様みたい』


そう言いながら手を取り
私たちはマンションへ入る


「おかえりなさいませ、岸谷様」

そこにはカウンターと大きなフロアに
豪華なソファが置かれていた


「山崎さん、紹介します。杏奈です」


『初めまして、杏奈です』


山崎さんという年配の男性は笑顔で迎えてくれた


「コンシェルジュの山崎でございます。何かあればすぐお申し付けください」


何かあれば?
すぐ……?


なんだろう……
さっぱり理解が出来ない


涼介さんに連れられエレベーターにのる
聞きたいけど……今はまだかな?


涼介さんに何かを聞きたい時って
タイミングがあるんだ

すぐ聞くと何も答えてくれない
だから……今はまだ。
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