女子高生の私と不機嫌な若頭


「……杏奈、一つ言っとくがお前も引っ越すんだぞ。……いや、これなら勘違いするな……」


そう言って少し考えて


「ここで二人だけでやっていかないか?」


涼介さんの発言で私の一人暮らし妄想は音を立てて砕けて行ったが、理解するのに時間はかからなかった


『二人って、私と涼介さん?』


「ああ、ここなら店も、家も……事務所も遠くはない。それに杏奈が自由に家事も好きな事もできる」

「料理したり、洗濯だって気にせず干せる。友達だって呼べる。俺が帰れない時は友達に泊まって貰えばいい……まぁ、だからって誰でも入れて言い訳じゃない。俺の家業だからな……命だって狙われる。俺も、お前もだ」


涼介さん……気がついてたんだ
岸谷の家での洗濯、特に下着
洗うのはいいけど干すのが難しくて
学校帰りにコインランドリーに寄っていた

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