女子高生の私と不機嫌な若頭


「着替えてこい」


そう言って涼介さんは
どこかへ行ってしまった


言われるがまま、着替えて鞄を持ち
更衣室から出る
辺りを見回しても涼介さんはいなく
ボーイさんが外へと誘導してくれた


外に出ると、壁に寄りかかりながら煙草を吸っている涼介さんがいた


『すみません、お待たせしました』


私が駆け寄ると、急いで煙草を消していた


「悪い」


『え?あ、大丈夫ですよ。気にしないでください』


それだけ言うと、やっぱり会話はなく
仏頂面で歩く涼介さん


『雄哉がいない日なのに、すみません』


そう言っても、特に返事がなかった
けど、それもいつものことだ
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