女子高生の私と不機嫌な若頭


その時、パトカーのサイレンの音がした
私はその瞬間を逃さず
携帯を持ち、雄哉を抱きかかえ
部屋から逃げ出した


階段を駆け下り
玄関を出ようとした


「逃げんじゃねーよっ!」


肩を捕まれ引き寄せられる

ドカッ……痛っ……


お父さんに捕まった反動で抱きかかえていた雄哉と携帯を離してしまった


「お前はこっちだ」


お父さんに捕まれ引きづられ
私は奥の部屋……寝室へ連れて行かれた



『雄哉、雄哉……逃げてっ!』


これから起こるであろう事を
私は全力で阻止する

けど…無理なのもわかっていた
だから……だから雄哉には聞かれたくない
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