女子高生の私と不機嫌な若頭


「やっぱり……きつい……な、入っていかねぇ……んっ」


無理に入れようとする
その激痛に耐えられるわけがない


助けて……誰か……
そう願った時、大きな物音が聞こえた


え?っと思った瞬間
寝室のドアが乱暴に開き誰かが入ってきた



「どけろ」


そう聞こえたと思ったら
お父さんが飛ばされているのが見えた


その声の持ち主は、涼介さん
涼介さんは自分が来ていた上着を脱ぎ
私にかけてくれ、拘束されている腕も解放してくれた


「遅れて悪い」


涼介さんが……助けに来てくれた?
それは信じられないこと……
けど、目の前にいるのは涼介さん


安心したのかポロポロ涙が出る


「大丈夫だ、もう大丈夫」


そう言って私を包み込んでくれる
涼介さんの声が優しさが、匂いが私を安心させてくれた
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