女子高生の私と不機嫌な若頭
家に帰ると静かだった
あれ?電気はついてるけど…
『ただいま』
そう言ってリビングに入ると
ソファに父が座っていた
見回しても、いるのは父だけ
『……雄哉の迎え、行かなかったの?』
私の問いに何も言わない父
『私に連絡きたんだけど…あの人は?』
あの人……継母の事
継母の事を私はお母さんとは呼ばない
私の問いに、チラッと私を見て
ようやく返事が返ってきた
「……出て行った」
出て行った?
……雄哉を置いて?
自分がお腹を痛めて産んだ子供を
こうも簡単に捨てられるのかと再認識した