女子高生の私と不機嫌な若頭


『……杏奈です』


そういうとインターホンは切れてしまった
モニターのカメラが付いているから
私の姿は見えてたはず


あの女と会うと思うと嫌だ
けど……雄哉のため。
これからの雄哉のために……


ガチャ


玄関ドアが開くとあの女が出てきた
私が知っている感じてはなく
髪の毛はふわふわと靡かせ、清楚な感じなワンピース……いかにもセレブ気取ってますっていう身なり


「……何しに来たの」


インターホンの時の声とは明らかに違う嫌そうな低い声


『雄哉の事で話に来た』


「……雄哉?……ああ、あの子」


その言葉に私は怒りを覚えた
自分がお腹を痛めて産んだ息子を
「ああ、あの子」
全く興味がない言い方だ
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