女子高生の私と不機嫌な若頭


「お前に生きている価値ねぇな」


そう言って私の肩を抱いて歩き出す


女は気持ち悪い高い声で笑い出す

「あんたもやるわね、毎晩遅くまで何やってるかと思ったら、ヤクザの処理係?」


その言葉は私以上に涼介さんを怒らせた


「三宅」

そう言って涼介さんは三宅さんを呼んだ


やれやれっと呆れ顔の三宅さんが
女に話し出した


「ご紹介するの忘れてました……こちら岸谷涼介、岸谷組若頭です。そして杏奈様は若の婚約者です」


こ、こ、こんやくしゃ??
その言葉にビックリするが
それ以上に女はビックリして
みるみるうちに顔が青ざめていく


「加藤様……余計な事を言ってしまいましたね……後日、お迎えに上がります。逃げても無駄ですよ」
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