月夜に悪魔



「待ってたわよ、皐月ちゃん、さぁ隣りに座ってちょうだい。私、待ちくたびれちゃった」



お母さんが笑顔でいう


「私もお腹がすいた!」


「何が食べたい?」


「………グラタンに決めた!」


「じゃあ私もグラタンにするわ」


そう言って店員さんに注文した


お父さんは焼肉定食にしていた



「注文したら届くの?」


「そうよ、うちのシェフと同じよ」


へぇ…【外食】ってすごいのね






数分後、テーブルの上にグラタンが運ばれて来た


「うわぁおいしそう!」

「食べて良いわよ」



「いただきまぁす!」


一口、パクッとくちの中に入れた



「………!!!」


熱いっ!!!



私は驚いている両親をそっちのけに水に急いで手を伸ばした


ゴクゴクっと冷たくて気持ちのよい冷水がのどを通っていく




「あ…熱かった…」


シェフの作る料理はいつも適度に冷ましてから運ばれて来るので、こんなに熱い思いをしたことがなかった




「気をつけて食べるんだよ」



お父さんがクスクス笑いながら注意した


「はぁい………」



うぅ…まだじんじんする

お父さん達はパクパク食べてるけど熱くないのかな……?




疑問がまた一つ生まれてきた







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