月夜に悪魔
車を走らせてたどり着いた目的地
ライトウェア通り
すごくすごくキレイ
今着ているような洋服がたくさん並んでる
素敵…素敵!
「何処に行きたい?」
「あれ!何?」
「あれかい?あれはアイスだよ」
「あれ…おいしいの?」
「甘くておいしいよ。買ってあげようか、何味がいいの?」
「味が違うの!?何味があるの?」
「チョコとバニラとイチゴと……」
「イチゴがいい!イチゴがあんなものになってるなんてすごいね!」
「そうかい?じゃあ買ってくるからここで待ってるんだよ」
「うん、わかった」
早く食べてみたいな【あいす】
お父さんが買いに行ってすぐに、人込みの中にいる男の子と目が合った
「!七瀬君」
「あ、皐月。来てたんだ?外出禁止令ってきれたんだっけ?」
「うん、わからないけどなんかお父さんが連れてきてくれたの」
「ふぅん。で、お父さんはどこに?」
「【あいす】を買いに行ったよ。七瀬君はあいす食べたことある?」
「あるけど…皐月はないのか?」
「うん、ないよ」
「………あ、お父さんが来てるぜ。じゃあ俺は行くから」
「え?もう行っちゃうの?いっしょに周りたかったな、この通り」
「皐月のお父さんに姿みられると、ちょっとヤバいんで」
「…そう…なの?」
よくわからない説明だったが、とにかくうんと言っておいた
そして振り向いたら七瀬君の姿は、もうどこにもなかった…―‐