月夜に悪魔



「あれ?聞いてなかったのかい?15歳の誕生日に君を嫁にもらうんだ」


「私がバラン君のお嫁さん?」


「そう、嫁に」



「でもね、バラン君。結婚はお互いのことを好きじゃないと、したって意味がないと思うよ」



「俺は皐月ちゃんのこと、好きだよ」


お…男の人からそんなこと言われるのは初めてだから照れる…




「でも!でも皐月は」


「これから俺のこと、好きになればいいさ」



「それで…いいのかな?」



「うん、俺もそれまで子作りとか待っててあげるから」


「子作りっ!?皐月にはまだ早いよ」



「まぁ、ね。大丈夫、まだしないから」




「ぬ…ぅ」


「じゃあ行こうか」



「あ、待って!」


「どうしたの?」



「お父さんやお母さんは!?」


「生まれた時に契約してるから、このことは知ってるはずだよ。もしかした今日の夜って勘違いしてるかも」



「…………ウサギさん」

「ん?」



「ウサギさん持って行っていい?」


「………まぁ一つぐらいならいっか」



私は誕生日に買ってもらったウサギを放すもんかと強く抱き締めた



「その目…俺と同じ色?」


「うん、なんとなくコレ、買ってもらったの」




バラン君はクスッと笑って


「君のそういうとこ好きだよ。じゃあ行こっか」


私はバラン君にお姫様抱っこをされて、星屑がちりばめられたキレイな夜空に羽ばたいていった






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