月夜に悪魔
「ん!」
強引なキスはとても優しかった
私は疑問に思った
キスは友達でもするのかな?
「七瀬君…?」
唇を解放された私は彼の名を呼んだ
「なんでそんなに冷静なわけ?」
「え?なんで慌てなくちゃいけないの?」
「………無理矢理キスしたんだぞ?」
「友達だからでしょ?」
「…………ったく」
七瀬君は少し苦い顔をして、言葉を私に掃き捨てた
「温室育ちのお嬢様はキスをする意味ってのはわからないわけか…」
「……バカにしてる?」
「……別に」
今の七瀬君なんだか意味がわからないよ、いったい何が言いたいの?
「まだわからない?」
「…?」
次の瞬間言葉を失った
「おまえが好きだって言ってんだよ!」
好き……
好きってあの恋愛感情の…?
七瀬君が?
ふいに前に気配がした
そこにはすごい形相のバランが立っていた