月夜に悪魔



「これは…一時的なショック現象だね。なれない魔法をもろに受けたから…。まぁ気にする事はないよ、治るから」


「そう……か」



バランはホッとため息を吐いた


バランの思考では自分がこんなに皐月を心配しているので、自分自身も驚いていた



なんにせ、婚約者など誰でも良かったのだ


たまたまバランに頼ってきた夫婦が、たまたま生んだ子供を嫁にもらっただけの事



本気になるわけがない


実際どうでも良かったはずなのに



「私…死んでしまうのですか?」


皐月はいままで敬語を使った事がなかったので、初めてきいたバランはとても驚いた



「大丈夫だよ、このお兄さんが守ってくれるからね」



皐月にジッと見つめられるバラン


いつの間にか顔が赤くなってくる


顔を見られるのはなれてるはずなのに、母親ゆずりの顔は見せ物扱いだったから



なんで赤くなる?


そんな疑問が心に渦巻いていた






< 70 / 201 >

この作品をシェア

pagetop