月夜に悪魔
「これは…一時的なショック現象だね。なれない魔法をもろに受けたから…。まぁ気にする事はないよ、治るから」
「そう……か」
バランはホッとため息を吐いた
バランの思考では自分がこんなに皐月を心配しているので、自分自身も驚いていた
なんにせ、婚約者など誰でも良かったのだ
たまたまバランに頼ってきた夫婦が、たまたま生んだ子供を嫁にもらっただけの事
本気になるわけがない
実際どうでも良かったはずなのに
「私…死んでしまうのですか?」
皐月はいままで敬語を使った事がなかったので、初めてきいたバランはとても驚いた
「大丈夫だよ、このお兄さんが守ってくれるからね」
皐月にジッと見つめられるバラン
いつの間にか顔が赤くなってくる
顔を見られるのはなれてるはずなのに、母親ゆずりの顔は見せ物扱いだったから
なんで赤くなる?
そんな疑問が心に渦巻いていた