月夜に悪魔
「大丈夫だったのか!?」
フィートが扉を開けて入ってきた。かなり慌ててる様子だった
皐月の左手腕の包帯をみると涙が今にでも出そうな顔をする
「ごめんな…俺が受けてればよかったのにな」
「失礼ですがあなたは誰ですか?」
その言葉にフィートは目を丸くする
「本当に…皐月?」
「わかりません、皆さんがそう呼ぶので皐月だと思いますがあなたが違うと言うのなら………」
フィートは勢いよくバランの方を見た
「どういうことだよ…?ちゃんと説明しないとぶっコロス!」
「………その言い方はムカつく…。でも教えてやるよ、一時的な記憶障害だってさ」
「なんでそんなへーぜんとしてるわけ?」
「…………」
「結局、おまえも親父と同じで誰でも良かったんだろ?皐月をこんな目に合わせてさ、殺したいわけ?」
「うるせぇ…!!!」
その場にいた全員がビクッと跳ね上がる
「父さんみたいにどうでもいいわけじゃない!俺だって…胸が張り裂けそうな罪悪感に浸ってるよ!どうしてこんな…」
初めて胸の内をさらけ出したバランにフィートは少しビックリした
これは気付いてないな…
バラン、自分は皐月が好きだってことに