私の友達、本当に良い人なんです!
「そういえば、どんな映画なの?」
翼がふとそんな質問してきたので、私はチケットをひらひらと見せる。
「なんか、“ストーカー”っていう映画みたいだよ。」
「ふーん。ストーカーか。面白そうだな。」
翼はチケットを取ると、興味津々でチケットを見ている。
「俺はストーカー嫌いだな。」
ドスンッ。
そんな音が聞こえて、後ろに目を向ける。
「雫?どうしたの?大丈夫?」
「あ…いや、なんでもない。」
雫は床に座った状態でため息をついていた。
おそらく椅子から落ちたのだろう。
まったく。雫もおっちょこちょいだなぁ。
「ふふ。楽しみだな~。」
そんな事を1人でぼやいていて、私は雫が2回目のため息をついていたのを知らない。