私の友達、本当に良い人なんです!




「…あれ?道に迷った?」


歩いて20分くらいの道のりのはずなのに、まっ たく学校に着かない。


「どうしよう…。」


ふと時計を見ると…


「え?!あと10分じゃない!どうしよう!」


「大丈夫?」


慌てている私の頭上から、優しくて低い声がふ ってきた。


「え?」


パッと後ろを振り返ると、ちょっと近いかな? っていう距離に男の人が1人。


「どうしたの?そんなに慌てて。」


「えと…道に迷っちゃって…。」


「…君、新入生?」


「え!?はい!」


よく見てみると、この人同じ学校の人だ。助か った!


なんて思っていると、


「校門はこの裏だよ?」


え…?


「君、方向音痴みたいだね。」


そう言って少し笑っている男の人。


「あ!やばい、遅刻しちゃう!さ、行こう。」


「え!ちょっ!」


腕を掴まれ一緒に走る。


な、な、な、なにこの人?!


「俺もここに入学するんだ!一緒のクラスだと いいね。あ、俺は如月翼。」


走りながら自己紹介をされ少しびっくりしたが 、私もこたえるように自己紹介をした。


「わ、私は相原皐月!」


「皐月か。よろしくね!」


そう言って如月くんは微笑んだ。



……。



良い人だぁ!!



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