innocent
「冬也さー、隣のクラスの泉谷さんと付き合ってるの??」
すると、冬也は驚いた顔でこっちを見た
『何お前、知らなかったの!??』
否定するどころか、さらっとあたかも当たり前のように言った。
ーー知らなかったの?って、、
「いや、知ってたら付き合わないし。
それに、本気じゃない同士って言ってたから
私はてっきり....」
何故か言葉が詰まった
熱いものが今にも溢れそうな感覚
「なんだこれ。(笑)」
私は必死な笑いで誤魔化した。
付き合ってる人が居るのに、
このままで良い訳がない。
冬也に言いたいことは山程あったが、
今にも溢れそうな何かを堪えるのでいっぱいだった。
「もう、やめにしよっかー
私、他に女が居るような男と付き合う趣味ないから。」
『ぁあー。うん。(笑)』
私達の恋愛ごっこは
半年ちょっとと言う短い期間で幕を下ろした。
そして、
ただ笑って頷く彼を心底軽蔑した。