tear/skill
すり抜け様、私は何故か悠真を突き飛ばしていた
「っ···」
悠真の歪んだ顔
「ごめん」
とっさに口からでたのはまた「ごめん」の一言
「おまえ俺にムカついた」
「そりゃあそうよ不謹慎なことばかり」
「でもおまえの本心だ」
私はかっとなって悠真に馬乗りになった
周りが騒然とするなか私は悠真に向かって産まれて初めて拳をふりあげようとした手首を掴まれる
「女の子がはしたないよ
悠真くんの口が悪いのはいつものこと」
「つーか早くどけ」
「ごめん」
松葉杖を拾って悠真に手渡す
「悠真くん足みてあげようか?」
「いらね、たぶん今ので入院のびたから」
ひらりと手を振って行ってしまう
「悪い子じゃないんだよ
でもああやって言って人の気をひこうとしてる」
「すみません」
小さく謝ってロビーのソファーに腰掛ける
悠真なんて大っきらい
「誰がキライだって」
「悠真」
後ろから声がしてはっとする
「おまえ読みやすいな」
「心が読めるの?」
「昔からな」
悠真はソファーに前のめりに寄りかかりながら私に袋を手渡す
中身はペットボトルのお茶とお菓子
「子供扱い」
「ガキだろどーせ
つーか隣いいか?」
「うんまあ」
悠真はゆっくりとソファーに座る
「昔から読めるんだ人の心
気持ち悪いだろ?」
「別に」
「軽蔑」
「うるさいなぁ」
「おまえわざとやってる?」
「やってない」
私はペットボトルのお茶を一口飲んだ
横から手が伸びてきて悠真も一口飲む
産まれて初めての間接キスがこんな奴なんて最悪
「最悪ね」
「よまないでよいちいち」
「じゃあなにも考えるな」
「···」
「喋れよ」
なぜかしらないけど私は笑った
「悠真はなんで病院のなかをウロウロしてんの?」
「病室にいるとうるさいから
いろんな奴のいろんな考えが聞こえてくんだよ」
「悠真触っていい?」
「はあ?」
悠真の骨ばった体つきしなやかな筋肉
私はそっと頬を撫でた
「イヤ?」
「変な奴」
「悠真、明日もいる?」
「ああ、たぶんな」
考えちゃいけない
でも···
「バイバイ」
「じゃな」
初めて会ったのにどうして??
帰ろうか悩んで病室をちらりと見た
相変わらず計器に囲まれて眠っていた
「起きてよ」
涙が頬をつたっていく
なにこれ···
私はベッドに泣き崩れていた
約束したよね
海に行って遊んでたくさん思い出つくろうって
ねぇ君は私のこと好きだった?
なんで
なんで
なんで
堰を切った涙はとまらない
「っ···」
悠真の歪んだ顔
「ごめん」
とっさに口からでたのはまた「ごめん」の一言
「おまえ俺にムカついた」
「そりゃあそうよ不謹慎なことばかり」
「でもおまえの本心だ」
私はかっとなって悠真に馬乗りになった
周りが騒然とするなか私は悠真に向かって産まれて初めて拳をふりあげようとした手首を掴まれる
「女の子がはしたないよ
悠真くんの口が悪いのはいつものこと」
「つーか早くどけ」
「ごめん」
松葉杖を拾って悠真に手渡す
「悠真くん足みてあげようか?」
「いらね、たぶん今ので入院のびたから」
ひらりと手を振って行ってしまう
「悪い子じゃないんだよ
でもああやって言って人の気をひこうとしてる」
「すみません」
小さく謝ってロビーのソファーに腰掛ける
悠真なんて大っきらい
「誰がキライだって」
「悠真」
後ろから声がしてはっとする
「おまえ読みやすいな」
「心が読めるの?」
「昔からな」
悠真はソファーに前のめりに寄りかかりながら私に袋を手渡す
中身はペットボトルのお茶とお菓子
「子供扱い」
「ガキだろどーせ
つーか隣いいか?」
「うんまあ」
悠真はゆっくりとソファーに座る
「昔から読めるんだ人の心
気持ち悪いだろ?」
「別に」
「軽蔑」
「うるさいなぁ」
「おまえわざとやってる?」
「やってない」
私はペットボトルのお茶を一口飲んだ
横から手が伸びてきて悠真も一口飲む
産まれて初めての間接キスがこんな奴なんて最悪
「最悪ね」
「よまないでよいちいち」
「じゃあなにも考えるな」
「···」
「喋れよ」
なぜかしらないけど私は笑った
「悠真はなんで病院のなかをウロウロしてんの?」
「病室にいるとうるさいから
いろんな奴のいろんな考えが聞こえてくんだよ」
「悠真触っていい?」
「はあ?」
悠真の骨ばった体つきしなやかな筋肉
私はそっと頬を撫でた
「イヤ?」
「変な奴」
「悠真、明日もいる?」
「ああ、たぶんな」
考えちゃいけない
でも···
「バイバイ」
「じゃな」
初めて会ったのにどうして??
帰ろうか悩んで病室をちらりと見た
相変わらず計器に囲まれて眠っていた
「起きてよ」
涙が頬をつたっていく
なにこれ···
私はベッドに泣き崩れていた
約束したよね
海に行って遊んでたくさん思い出つくろうって
ねぇ君は私のこと好きだった?
なんで
なんで
なんで
堰を切った涙はとまらない