tear/skill
悠真は荒い息を吐きながら壁に手をついてなんとか体勢を保っていた
「帰ろう、帰らなきゃ」
ぐいっと悠真の手をひいて歩きだそうとした私の肩に上着がかけられた
「おまえもう少し身なりに気をつかえ」
「悠真」
「また呼んだ246回め」
はい?なんで数えてるのよ···意地悪
「そんなに呼んでない」
「呼んでんだよ、なにかある度に」
「ごめん」
「やけに素直じゃん」
素直になりたい私だって
そしたらヒステリックなんて言われない可愛らしい普通の女の子になれるのに
大通りに出てタクシーに乗り込んで窓の外をぼんやりと見る
「どした?」
「別に」
「なんだよそれ」
「別にって言ったら別にだよ」
「来て損した
燈真から心配してるってきいたから不安になったけどおまえその態度はあんまりじゃね?
燈真はよくて俺はダメ?」
「うっ···」
うまく答えられない
だって燈真は受けとめてくれたから
違う、悠真だって努力してくれてる
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