tear/skill
行かなきゃなんでかそんな気がした
璃玖の病室まで悩んでいると向こうからドアが開いた
看護士さんの怪訝な顔
でも行かなきゃ
「璃玖」
「陽···菜?
陽菜?けがなかった?」
なんでこんなに優しいの
「璃玖ごめん」
「なにが?」
「これ···」
「ありがとう」
って璃玖にあげるつもりじゃなかったけど···
悠真のために買ってきたけど
まだ迷ってるの私
ちゃんと言わなきゃ
「璃玖ごめんね」
「さっきからそればかり」
「ごめん私いかなきゃ」
「どこに?
君がヒステリックなのも知ってるし側にいてよ」
「わかんないけど行かなきゃ」
なんでこんなに苦しいんだろ
なんで
なんで
「そう行っておいで
でも好きなのは僕であってほしいな
それきっと僕にじゃないよね?」
「璃玖ごめん」
涙でぐちゃぐちゃだ
璃玖があまりに優しいから
「あーあ泣くぐらい傷つくなら最初からやめりゃあいいのにバーカ」
「悠真」
なんでここにいるの
神出鬼没にも程があるよ···
ドアの陰、松葉杖の背の高い男
あああれ影沼先輩だよな確か
勝てないな相手が影沼先輩なら
「慰めてやるよ」
「いらない
だってサヨナラを言いにきただけだから
バイバイ」
私にはどっちか選ぶなんて酷すぎる
だって
だって両方とも大切なんだもん
(おまえの声きこえたよ
でも俺···おまえのこと···好きなんだって思い始めてる
バイバイなんかで終わらせてたまるかよ)
悠真?この声、悠真なの?
私はなぜか止まってしまった
だって悠真があまりにも残酷な仕打ちをするから
(ねぇなんで僕の気持ちはとどかないんだろ)
璃玖?
「ずるいよなんでそんなことするの」
病院なのにやたらでかい声
「なんにもしてねぇよ」
答える悠真はどこか苦しそうで
「してるじゃない」
「俺じゃない」
「じゃあ誰なのよ
悠真なんて本当に大きらい」
私は泣きながら走りだしていた
なんでこんなに悩まなきゃいけないんだろう
病院の庭のベンチに座って夏空を眺める
夕陽に染まる綺麗な茜色
これでいいんだ
「違うだろ」
なんで···病院だからしかたないのはわかるけど
「なんでいつもいつもストーカーみたくとつぜん現れるのよ」
「ストーカーって
まっいいや」
許可もしてないのに勝手に隣に座る
しばらくの沈黙
「なにか話せば?」
「ん?なにから話せば?」
「じゃあ私のこと
私には姉が居るの
今は海外にいるけど
理想の姉だったの完璧だし」
璃玖の病室まで悩んでいると向こうからドアが開いた
看護士さんの怪訝な顔
でも行かなきゃ
「璃玖」
「陽···菜?
陽菜?けがなかった?」
なんでこんなに優しいの
「璃玖ごめん」
「なにが?」
「これ···」
「ありがとう」
って璃玖にあげるつもりじゃなかったけど···
悠真のために買ってきたけど
まだ迷ってるの私
ちゃんと言わなきゃ
「璃玖ごめんね」
「さっきからそればかり」
「ごめん私いかなきゃ」
「どこに?
君がヒステリックなのも知ってるし側にいてよ」
「わかんないけど行かなきゃ」
なんでこんなに苦しいんだろ
なんで
なんで
「そう行っておいで
でも好きなのは僕であってほしいな
それきっと僕にじゃないよね?」
「璃玖ごめん」
涙でぐちゃぐちゃだ
璃玖があまりに優しいから
「あーあ泣くぐらい傷つくなら最初からやめりゃあいいのにバーカ」
「悠真」
なんでここにいるの
神出鬼没にも程があるよ···
ドアの陰、松葉杖の背の高い男
あああれ影沼先輩だよな確か
勝てないな相手が影沼先輩なら
「慰めてやるよ」
「いらない
だってサヨナラを言いにきただけだから
バイバイ」
私にはどっちか選ぶなんて酷すぎる
だって
だって両方とも大切なんだもん
(おまえの声きこえたよ
でも俺···おまえのこと···好きなんだって思い始めてる
バイバイなんかで終わらせてたまるかよ)
悠真?この声、悠真なの?
私はなぜか止まってしまった
だって悠真があまりにも残酷な仕打ちをするから
(ねぇなんで僕の気持ちはとどかないんだろ)
璃玖?
「ずるいよなんでそんなことするの」
病院なのにやたらでかい声
「なんにもしてねぇよ」
答える悠真はどこか苦しそうで
「してるじゃない」
「俺じゃない」
「じゃあ誰なのよ
悠真なんて本当に大きらい」
私は泣きながら走りだしていた
なんでこんなに悩まなきゃいけないんだろう
病院の庭のベンチに座って夏空を眺める
夕陽に染まる綺麗な茜色
これでいいんだ
「違うだろ」
なんで···病院だからしかたないのはわかるけど
「なんでいつもいつもストーカーみたくとつぜん現れるのよ」
「ストーカーって
まっいいや」
許可もしてないのに勝手に隣に座る
しばらくの沈黙
「なにか話せば?」
「ん?なにから話せば?」
「じゃあ私のこと
私には姉が居るの
今は海外にいるけど
理想の姉だったの完璧だし」