ネットとリアルと半分こ

どういうことだ。
金井君は首を吊り自殺未遂をしたのだ。
しかし首を吊った痕はない。
何故、彼は無傷なんだ。
何故、彼は動かないんだ。
彼は植物人間になる必要があったのか。
…わからない。
結局、あいつらにやられたということか。
僕は息を呑み、彼の腹を露わにさせた。
痣でいっぱいの痛々しい腹。
心臓付近ではもうほぼ痣で
青紫色に染まっている。
何故、彼はこうなったのだろう。
わからない。

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

人が来たので急いで服をかぶせた。

「あなた、誰？」

突然女性が入ってきた。
40代といったところだろうか。

「あ…僕、金井君のクラスメイトの松山です…突然お伺いしてすみません。」

「あら～…私、金井健太の母です。ケンタがいつもお世話になってます。」

「いえ…こちらこそ、ケンタ君にはお世話になっておりました。ケンタ君…具合の方はどう…なんですか…？」

「えぇ、この通り。しばらくこの子の声は聞いてないわ…あぁ、最後に聞いたのは痛そうな声だったわ…。」

「どういう…ことですか…？」

痛そうな声…お母さんは金井君がこうなるところを見ていたのだろうか…
何故、止めなかった…？