ネットとリアルと半分こ
一通り学校を回ってきた。
先輩達の教室も見せてもらった。
こんなに楽しい学校見学はなかった。
「じゃ、MATU!また後でな!」

「はい!ありがとうございました!」

「俺もそろそろ。」

「本当に楽しかったです!」

二人は笑顔で消えていった。


あぁ、また独りだ。
孤独だ。教室は地獄。
特に今までこれといった暴力はないが
無視されたりとかそんな細かい虐め
みたいなのが続いていた。
まぁ漫画とかに出て来るような
虐めよりはマシだし、自殺なんて
そうそうするもんじゃないと
ちゃんと僕はわかっている。
精々不登校になるのが皆のためだと
それくらいだ。
何がダメで嫌われているのか。
聞こうにも無視されてわからない。
だから我慢して3年間過ごす。
そうするしかない。
どうにか耐えよう。

「ねぇ。おい、アンタ。」

「……え!?」

「何?そんなビビる?」

「いや、その…僕、人と話すことがあまり…ないので…っ」

「へなちょこだなー。アタシ、咲良。
サクラでいいよ。よろしく。」

「えっと…僕と…友達…に?」

「何?ダメなの。」

「いやっ、その…僕と絡むと…」

「もうへなへなしてんなー。早く言えよ」

「僕…友達とかいないので…虐めとか巻き込んじゃうかも…しれない…から咲良さんは…」

「あぁ、何、そんなこと?いいよ、別に」

「へ?…でも…藤塚くんとか山中くんとか…すぐ…目つけられちゃうよ…」

あぁ、咲良さんダメだよ。
僕なんかと友達なんて。
やめて、藤塚くんとか山中くんはダメ。
あの子達は僕の友達には容赦ない。


実際、過去に友達を失った。
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