漆黒の破片
「今来たばっかりだよ。
それより奈々、お前もうちょっと自覚
しろよ。自分が可愛いってこと」
へ?か、可愛い?誰が?
私?ないない。全然だもん。でも…
隆弘がそう言ってくれるなんて
嬉しいなー!
でも、隆弘は自分がカッコイイことに
自覚がないんだ。
黒いツヤのあるサラサラの髪に
シュッとしたアゴのライン
高い身長に少し筋肉がついていて
めっちゃイケメンで、毎日告白されてる
から、ヤキモチ妬いちゃうよ。
「おい。奈々ー。なんで不機嫌なんだよ
なんか、あったのか?」
「う……なんでもないっ!隆弘が
モテてるからヤキモチ妬いてるとか
言えないし………」
ちょっとモジモジしてたら隆弘が
私の手を握って顔を覗き込んで
「俺、奈々にヤキモチ妬いてもらって
めっちゃ嬉しいぞ?ありがとうな?」
う……その笑顔は反則だよっ!
カッコ良すぎ!惚れ直しちゃう!
「ただ………」
「ただ?」
え?どしたんだろ?