解放の本

病は気から

「怖い……お化けが出てきそう……」

真っ暗で、お化けが出てきそうな雰囲気だ。

もしお化けが出てきたら……

「あ、ドアがある……」

ドアには蛛の巣が張られている。

この中に人はいるのかな?とりあえずドアを開けてみよう。

ドアを開けると、いろいろな本が置かれていた。

ここは……書斎なのかな。

何か役に立つ本はないか探そうとしたとき、ゴトッという音がした。

「誰かいるんですか……?」

足音が聞こえる。よかった……お化けではない。

「ここに人が来るなんて何年ぶりだろうねぇ」

手に懐中電灯を持った女の子がいつの間にか、私の目の前にいた。

「えっと、太部について書かれた本とか……ありますか?」

「あるよ。でも太部のことなら私の方が知っている」

「太部のことについて、教えてください!」

そう言うと、女の子はニヤリと笑った。
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