解放の本
緊張して震える手で青色の線を切る。何も起こらなかった。あとは、赤と緑のコードのどちらかを間違えずに切れば爆発を止められる。しかし間違えると爆発し、確実にここにいる人たちは死ぬだろう。

「多分緑だと思うけど……自信がない……」

これと思われる爆弾の種類は2つあって、その2つは最後だけ切る線が違うのだ。よく似ているから間違えて爆発させてしまうという事故も多い。
見分け方は、側面に書いてある番号だけど、削り取られていてよくわからない。

「このままじゃ時間が過ぎて爆発するだけ……」

私は緑色の線を切った。その直後、爆発音がして私の体は吹き飛ばされた。

失敗した……

私はおそらく死んでしまうのだろう。でも……

今の私は死ぬ気がしない!
< 25 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop