解放の本
「やめなさい南天！」

オレガノが止めるのも聞かずに南天さんは斬りかかろうとした。しかし、

「切れない！？」

斬ろうとした瞬間、強い力で弾かれる。

「ならこれはどうだ！」

南天はナイフを見和さんへと投げる。かなりの速さで見和さんへと飛んでいくがはじき返されて、それは南天さんの方へ刺さりに行こうとする。

「ちっ」

南天さんは自分が投げた時よりも早く飛んでくるナイフを避けた。避けたナイフはザクッと壁に刺さる。

「うわ～すごーい。そして危なーい！」

ときどき流れ弾が飛んでくる。ので、私たち３人は棚の後ろに避難する。

「ナイフをあんな速さで投げるなんて……もしかして、忍者だったりして……」

「南天は、元は暗殺者だったの」

「なるほど……て、え！？」

私は驚きすぎて飛び上がる。するとそこにナイフが飛んできた。ナイフは私にもう少しで刺さるというところでしゃがんだので刺さらなかった。

「危なかった……」

あまりの恐怖に腰が抜けてしまった。

「暗殺者って、この平和な世界にも本当にいたんですね……そして、人を殺すんですね……」

「いるのよ。鬼一族は先祖代々暗殺者になるの」
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