解放の本

今、私は幽霊みたいに透明で浮いている。それは幽霊じゃないか、もう死んでるっていう人もいるかもしれない。でも、世の中には生霊という存在がある。それに、私がこうなった後、どうなったのか知りたい。

「こんにちは、真遊ちゃん」

「えっ私が見えるの！？」

目の前に、分厚い本を持った女の子がいた。目はターコイズ色、髪の毛はこげ茶色で、冬なのに半袖にショートパンツ。

「あ……こんにちは。寒くないんですか？」

「あ～大丈夫。今日は暖かいし」

何かいいことがあったのか、嬉しそうに飛び跳ねている。

「えっと……今日は、あなたの謎を解明しに来ました！塩谷　璃兎（しおや　りと）です、よろしくお願いしま～す」

名前も少し変わっている。それよりも、この人は一体……？

「あの……謎を解明するって……」

「あなたについて調べるの！ついてきて！」

走り始めた璃兎を追いかけると、商店街についた。ほとんど焼けているが、八百屋さんがレジャーシートの上に箱を置いて売っていた。雑貨屋さんは、物干し台に商品をつりさげている。街が焼け野原になっても、復興に向けて負けずに頑張っていた。

「ここで、スペシャルゲストの登場です！」

パチンと指を鳴らすとボフンとカラフルな煙が出て、女の子が現れた。

「えっここどこ！？あっ私は藤野　桃子です！」

「よっし召喚成功。桃子ちゃん、君には謎解きに協力してもらうよ！」

「どういうことですか！？」

桃子ちゃんはここにいた人ではないらしい。街の様子を見て驚いている。この街で何が起こったのか、教えないといけない。

璃兎と桃子と私の謎解きの旅が始まる……