解放の本

私はそのとき、弟と一緒に電車に乗っていた。電車は普通に走っていておかしいところはなかった。けど、電車の窓に目に見えない速さで何かが通り過ぎて、その直後電車が暴走した。

話の内容はこんな感じだ。

「通り過ぎた何かが原因なんじゃないかと思っている。でも知っている人がいなくてな……」

この人は噂を知らないらしい。一応教えたほうがいいかな……？

「あの……私、事故の原因が魔法を使える女の子だって噂を聞いたんですけど……」

そう言うと、疑うような顔になる。やっぱり信じてもらえないか……

「あんな目に見えないスピードで動く女の子がいるのか……？でも、魔法使えるならあり得るかも……」

少し考えた後、女の人は一緒に調べてくれないかと言う。

「私がですか……？」

空操禁書がこの事故を起こしたとすれば、どの空操禁書がしたのか、誰がこんなことを願ったのかを知りたい。それに、事故の原因がわからないと安心して電車に乗れない。

「はい！私も協力します！」

「ありがとう。私は水無月　紫陽花だ。よろしく」