解放の本
隊長、あの子がそんなことを考えるわけがない。

花鳥さんは紙に書いて渡したけど、紫陽花さんは調べてみないとわからないだろうと言う。
私たちが調べるのは田中 音子(ねこ)と言う人で、花鳥さんとはネットで知り合ったらしい。

「音子は恥ずかしがり屋でよく私に相談していた。花鳥に話しかけるにはどうすればいいのかとな」

音子さんの家に近づくほど嫌な感じになる。立つことすらきつくなったときに、2人の女の子が現れた。

「手に持っている本……空操禁書か!?」

「正解。もしかして、私たちの邪魔しようとしてる人?」

紫陽花さんは何も答えなかった。2人とも本を持っている。璃兎にそっくりの子が本のページをめくる。もしかして、何かしようとしている?

「あなたたちは何の本?今回の事故と関係あったりする?」

「私は嫉妬の本」

黒髪で目は紫色の子が答える。

「私は速度の本」

璃兎にそっくりだけど、目の色が茶色で髪の色が緑色の女の子が答える。

「お前らは知りすぎてしまった!ここで消えてもらうよ!」

逃げられたりする前に聞いてしまおうと思ったから聞いた。けど、余計なことしたかな?
速度の本は緑色の光を飛ばしてくる。

「やっと見つけた。さあ、天罰を受けてもらいます」

緑色の光はすべて弾かれた。弾いたのは、天使の羽根が生えた仄矢だった。

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