解放の本
「南天！桃子ちゃん！」

オレガノさんが走ってこっちに来る。そういえば、南天さんを探すと言ってここに来たんだった。

「よかった……２人とも無事で……」

「ごめんなさい……心配させてしまって……」

「これからは気を付けるよ……」

感動の再会？の途中、家政婦さんがおかえりなさい！と言った。

「ただいま。何か変わったことはあった？」

帰ってきたのはアディソンさんだった。

「アディソンさんが何故ここに……」

「数年前私がここを買ったの。たまにここの様子を見に来ているのよ」

昔話に出てくる家なのに放置されていることをもったいなく思い、中を見学できるようにしたり、泊まれるようにしたらしい。そんな家をローン無しで買うアディソンさんって一体何者なんだろう。

「実は、今日侵入者が……」

言いにくそうにしていたけどアランさんは正直に報告した。

「アラン、話してくれてありがとう。桃子ちゃん、南天ちゃんも頑張ってくれてありがとう」

南天ちゃんと呼ばれたからか南天さんは恥ずかしそうにしている。南天さんの事を南天ちゃんと呼んだ人は初めて見た。

「よかったら夜ごはん食べていく？桃子ちゃんはお母さんとかは……」

「大丈夫です！今日は帰ってこないって言ったので！」

ハキハキとした声で嘘を言う。アディソンさんに、本当に大丈夫！？と聞かれたけど大丈夫ですと言い続けた。その後私はアランさんとアディソンさんの作るおいしいご飯を食べたあと寝てしまい、朝起きたらここのベッドにいた。
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