解放の本
朝起きて部屋を出ると台所にアランさんがいた。

「桃子ちゃんおはよう!」

「おはようございます!ごめんなさい、昨日は寝てしまって……」

ここを出た後何しようと考える。他に行きたいところは特に無いな……喉が渇いたのでお水をもらって飲んでいるとき……

「後で青って人が迎えに来るって」

お水を吹いてしまった。大惨事になったので服を着替えて机を拭いているときもそのことを考えた。青が来る……
朝ごはんも食べさせてもらって、お礼を言った後荷物をまとめて玄関に行く。そこで青が待っていた。

「お嬢様、今度こそ帰りますよ!」

何度めだろう。これ。どうやって逃げるかを高速で考える。そんなとき、運よくアランさんが来た。

「桃子ちゃん。今朝、手紙が届いてたの」

アランさんが1通の手紙を渡す。送り主は何故私がここにいるとわかったんだろう。とりあえず手紙を開けてみると、便箋が一枚となんだかよくわからない文字が書かれた紙が入っていた。便箋に、七星共和国 りんご坂地区 足木町19-34に来てくださいと書かれていた。

「怪しいですね……」

「行こう!青!」

これが終わったら帰る詐欺や仕事辞めさせる詐欺を使って青を諦めさせた。

事件が私を呼んでいる予感がする。事件が起こると知りたくなる性格は一生直らないらしい。
< 71 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop