月明かりの下
家に帰ると、やっぱりお母さんは帰ってきていなかった。

「もう私なんて、どうでもいいのかな?」

寂しさには慣れていたつもり…だけど、
改めて「ひとりぼっち」が確認できちゃうと……、


涙が止まらない……。


リビングの電気をつけると、お母さんからのメモと5万円が置いてあった。


「しばらく仕事の都合で帰れなくなりました。」


ウソ……。あの人とどこかへ行くんでしょ。
捨てられちゃった……の?私。

私は、メモを丸めて壁におもいきり投げつけた。

私がなにをしたっていうの!
なんで……
なんで私だけ……。

悔しくて……
情けなくて……

涙が、涙がとまらない。

テレビを観る気にも、ましてやダンスを練習する気にも慣れず、膝を抱えたままの私。

ただただ空虚な時間が流れていく。

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