月明かりの下
私は自転車に乗り、ダンススクールを目指した。
海から吹く風が気持ちいい。

「あれ〜、確かにこの辺なんだよなぁ〜」

私は自転車を停めた。
私の前には、古ぼけた民宿が建っている。
おじいさんが草むしりをしているので、聞いてみることにした。

「すいません…」
「……」

「あの〜、すいません」
「……」

「すいません!!!」
「わっ。ビックリしたぁ! 急に大きな声出さないでよ」

耳遠い? この人。

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