月明かりの下
屋上に上がると、強い風が私のスカートをめくりあげた。

「遅〜い!ルナ! 干支変わってしまうわ!」
「うん…ゴメン。売店混んでて」

私は恵理の横に、ちょこんと腰を下ろし、
バッグからサンドイッチを取り出した。

「あれ? ルナ、今日もパン食?」
「うん…ダイエット中なんだ」

言えないよ。母親が帰ってこなくて、
お弁当作ってもらえないなんて…。

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