月明かりの下
私は、あまりの理解不能な展開に、思わずshin-yaから目を背けてしまった。

なんで? なんでshin-yaがここにいるの?

shin-yaも、私がここにいることに一瞬不思議そうな顔をした。


それから、「君はあれだね、やっぱ周り見えなくなるタイプなんだな」と、
shin-yaは、腹をかかえてケタケタと笑い始めた。


なんで?
なんで?
なんで? 


「ここ、オレの家」
shin-yaは、私の心を見透かすように、そう答えた。


「ここ、オレの実家。で、君こそなんでここにいるの?」

「私は、ダンス習いたくてここ来たんだけど、なぜかバイトが決まってしまって…」


shin-yaは、一瞬キョトンとした顔をし、それからまたケタケタと笑い始めた。


「あ、広告見たの?」

「…はい」

「ダンススクールの?」

「…はい。でもなぜか民宿で」


shin-yaは、「チョイチョイ」という感じで、私を手招きをし、民宿の看板まで連れていった。

「ほら。この看板。よ~く見て」

看板をじっと見つめると、そこには大きく堂々と書かれた『海之風』という文字の下に、
「ほんとスイマセン。ちょいとお邪魔しますよ」ぐらいの小さな手書きの文字で,こう書き足してあった。

「MoonLightダンススクール」

と…。
< 30 / 30 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop