死に至る病
 私は二人を置いて家を出た。


 足取りは、重い。


 学校、行きたくない。


 でも、私は家では良い子で通ってる。


 友達もたくさんいるし、明るくて真面目で。


 家だとちゃんと出来る。


 でも、学校だと、どうしても、他の奴が馬鹿に見えてしまう。


 まぁ、口には出さないんだけどね。


 もちろん。


 学校に着くと、やっぱりドラマの話題だった。


 良いよね。面白かったよね、あのドラマ。


 あたりで笑い声と、眠り姫の内容についての会話が飛び交っている。


 良い、よね、ドラマ。


 私は、一人でそれを聞いていた。


「姫野さん?」


 私の前に、誰かが来る。


 田中だ。


 こっちくんな。


 私はそっと鞄を持って家を出た。


 良いさ。


 ズル休みしよう。


 ちょっと怖いけど。


 あとで怒られそうな気もするし。


 でも、今日は、本当に嫌だ。


 と思ったら、始業のチャイムが鳴った。


 ホームルーム。
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