死に至る病



 学校でもやっぱりあの女優さんが死んだことに関しての話題で持ちきりだった。


 今、ブレイク中だったもんなー。


 パンデミック? だのなんだのって話し声が男子の方が聞こえたけど、そうじゃないみたいだし、ほんと意味が分かんない。


 でも、どんな病気なのかテレビじゃしっかりやらないもんなー。


 女優さんも心不全だとか放送されてたし。


 って、何気なく君島くんのほう向いたら、また田中の奴が一緒にいやがる。


 むかつく。


 君島くんは田中の頭を撫でて、田中はそれを手で払いながら笑ってる。


 付き合ってるとかでは無いみたいだけど、正直、焦る。


 なんで、あんなのが良いのかな。


 ほんと見る目無い。


 ……まぁ、その見る目無い男のキラキラしてる目が、私、好きなんだけど、さ。


 で、そのままいつも通り学校が終わって。


 私はいつも通り帰宅して、いつも通り家で明日の予習をして、それから軽く筋トレのメニューをこなした。


 最後にはベッドの中で目を閉じる、いつも通りの生活。


 でも、何してる時も、ずっと頭の中に田中の奴と君島くんのことがぐるぐる回って、どうしようもなくイライラした。


 田中は邪魔だ。


 あいつさえいなかったら、こんなに頑張って自分を磨いた私を絶対見てくれるのに。


 街でスカウトに声かけられたのも、一度や二度じゃないんだぞ、私。


 私は寝返りを何度もしてみたけど眠れなかったけど、何度も何度も眠ろうと思い込むうちに、なんとか眠ることに成功した。
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