死に至る病
 次の日も、何気なくいつも通り田中は君島くんとべったりで。


 私はお弁当を持って教室を出て行く二人を、教室でじっと見ていた。


「優。もう、あきらめなよ。」


 なんて、友達の涼子が言う。


「うるさいな。」


 と、私は返す。


 涼子はひどい。


 私の友達なのに、なんでこんなこと言うんだろう。


 いや、分かってる。


 田中の奴は、男子には人気無いけど、女子には人気ある。


 なんていうの? さりげないサポート見たいの、あいつ得意なんだよね。


 みんな優しくて良い人とか言ってる。


 でもさ、あいつ、友達あんまいないじゃん。


 みんなうわべばっかりで、田中に良い人だのなんだの言ってるけどさ。


 あいつと仲良くしようなんて誰も思ってないの、私、知ってんだ。


 涼子もさ、周りの奴が田中を応援してるからって、なんであいつの味方すんだよ。


 それともあれか?


 こいつ、本当は私のこと、嫌いなんだ。


 ふん、あんた程度の可愛さなんか、私を引き立たせるだけなんだから。


 私は涼子を睨むと、教室を出た。


 今日は、一人でランチだ。
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