デリ嬢ママ
ドライバーとの待ち合わせ場所は、駅近くのコンビニで、いつも必ず遅刻するドライバーの高田くん。
私はコンビニで雑誌を立ち読みしながら待つ。
高田くんは19歳のアルバイト。
お昼は鳶の仕事をしていて、終わったら19時半からデリのドライバーを0時までしている。
若いのに偉いよね。
とても良い子で、真面目な子。
彼女と結婚する為の資金を稼いでいるらしい。
結婚って、幸せそうに見えて実は縛られてばかりなの。
でもね、高田くんには教えてあげない。
幸せな生活を送れるかどうかは人それぞれだからね。
コンビニに入って10分。
高田くんの車が見えた。
「遅くなりました! 仕事が長引いちゃってて… 仕事着のままで俺臭くないっすか?」
汗だくの彼を見て私はニコっと微笑む。
「お疲れ様。 臭くないよ。 いつも偉いね、凄いよ。」
と、言い彼の頭を優しく撫でる。
子供のような彼を母親としての目で見てしまう自分がいる。
頑張ってる人はみんなカッコいいんだよ。