オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
白い、白い空間。


『ルルちゃん、ルルちゃん……』

誰かが私を呼んでいる。

幼いこの声は、どこか懐かしい。


『ん。……んんっ』

辺りを見回すと、突然目の前に綺麗な顔の少年が現れた。

小学生に上がるか上がらないかそれくらいの年に見える。

幼い顔の割に、私よりも背が高いなんて……と思ったが、どうやら私も幼いみたいだ。


『こっちきなよ』

『……いや』

差し出された手を振り払った。


例え、夢だとしてももう誰かと馴れ合わないと決めたんだ。

どうせこの男の子も私から離れて、傷付くのなら、始めから拒絶した方が痛くない。


『しかたがないなー。なら、ひとりであそぶ』

『……ふんっ』

ほら、これで痛くない。

はずなのに、遠ざかっていく少年の背中を見ていると、胸に爪をたてられたような鋭い痛みを感じた。


ああ、ちょっと位遊べば良かったかな。

どうせ一回きりなら離れるのに、痛みは伴わない。


と、後悔した時だった。

先程の少年が再び現れると、私の足元に座ったのは。


『え?』

『おれはひとりであそぶんだ』

と、少年は戦隊モノの人形を持ちながら話す。

『でも、なんでここで……?』

『おれのかってだろ』


ふいっとそっぽを向いた少年は一人で遊ぶと言いながらも、あまりにも多い量のフィギュアを持っていた。

しかしまあ、金持ちな少年なのか。

……って。


『爆発戦隊ボンバージャー?』

『しってるのか!?』

突如、少年は前のめりになって私に寄ってきた。

分かっただけなのに、それがよっぽど嬉しかったのか満面の笑みだ。

< 107 / 114 >

この作品をシェア

pagetop