オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
「生憎、上の風呂は使用中だ」

話しかけるというよりかは、大きな一人言みたいだ。

「かつ、俺も風呂に入りたい」

「……」

「だから、お前は外で待ってろ」


なんだよ、それ。

確かにこの家の主はあんたの父だけど、話し合いとかなしで決めるなんてさ。

ああやだ。何で私はこんな男を好きになってしまったんだよ。

意味が分からない。


「あっそ」

なら、私は帰るまでだ。

ケントが上がってくるのを待ってるなんて嫌。

誰かを待つのは、……嫌。


「待てよ」


突然、ケントは腕を掴んできた。

「……離して」

「離したら逃げるだろ」

「当たり前だ。あんたと話すことなんてない」

ゆっくりとケントが近付いてくるのが分かる。

緊張してるのが伝わるじゃないか。
近付くなよ。


「俺はあるんだよ」


ぐ。

誤ってケントの顔を直視してしまった。

真っ直ぐな瞳に、真剣な表情。

動悸が増加する……。

「……う、うるさい」


「お前は意味が分からねぇ」


……はい?

何で、久し振りの会話で貶されなきゃならない。

確かに、自分自身、私は変だと思う、けど。


「告白してきたかと思えば、普通になるし。避けるし、どういう事だよ」

「そ、それは私の台詞だ。こっちは言ったんだから、何かしらアクションをすべきだろ」


乙女ゲームでは恋愛マスターの称号を獲たけど、リアルじゃてんで駄目なんだから。

公式通りの答えを返してくれ。


三択問題にしてくれれば、解けるから。
< 111 / 114 >

この作品をシェア

pagetop