オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
「まだか?」
苛立った表情で宮崎さんが言う。
「へ、何が?」
「茶だよ、茶。普通、兄にすぐに持ってくるだろ。使えない妹だな」
「ごめんなさい、先輩の言ってる意味が分からない。第一まだ、私はアンタを兄だなんて認めてないし」
はーあ、ともう一度ため息をついた。
「そういやお前、俺の一つ下だったな。先輩呼びなんてするな。鳥肌が立つ」
「は?」
「分かれ。学校以外で先輩呼びされる不愉快さを。それが相手がお前なら尚更だ。せめて名字にしろ」
遠回しに気持ち悪いと言いたいのか、このイケメンボーイは。
顔が良いからって、調子に乗って腹が立つ。
そういうワガママが許されるのは二次元だけなんだよ。
例えば“トキメキ☆ボーイズ”の葵くん。
『お前はずっと俺の側にいれば良いんだよ。ばーか』ってそっぽ向きながらも、歩くペースは、遅い私に合わせてくれる。
ワガママの先に優しさが見えているから、許される。けれど、宮崎さんの場合はただの横暴だ。可愛くない。
……っと、話が反れてしまった。
「じゃあ、お母さん達の前では何て呼べば良い」
「飲み込み良いな。リリコさんと父さんの前ではお兄ちゃん大好きっ子を演じてろ。俺も良い兄を演じるから」
「そう」
「第一、俺だってお前の事を妹として見れねーし。それはお前も同じだろ?知らない男が兄になるなんてよ」
演じる、ね。
お互いぎこちなく変になるよりかは、表面上だけの付き合いなら楽な気がした。
コイツが兄になるのは不愉快だけど、お母さんの幸せのためなら我慢する。
仕方がないから、認めてやらなくもない。
それに宮崎さんは干渉してこなさそうだ。これなら、私のオタクライフも邪魔されないだろう。
「これから一ヶ月間、お試し期間として俺と父さんは、お前の家に住むらしい。だから、絶対にボロを出すな」
「言われなくても分かってる。お母さんを悲しませたくない」
「……そんなの、俺も同じだ」
宮崎さんはふっと笑った。
人間らしい笑い方も出来るんじゃないか。ただの猫被りかと思えば、……予想外だ。
「だからちゃんとしろよ」
「上等だ、お兄ちゃん」
わざとらしく呼んでみれば期待通り顔を歪めた。ヤメロ、と言いたげな表情に思わず笑みが溢れてしまう。
なんだ、少し面白いじゃないか。
「そのお兄ちゃんっての止めろ。吐き気がする」
「止めてあげるよ。チャラ眼鏡」
「うっせ。俺は猫被りであって、チャラくはない」
「へーへー」
宮崎さんのチャラい、チャラくないの話しはどうでも良い。どちらにしようと関係ない。
と、宮崎さんに背を向けて本を読み始めた時だった。
「あ?何だコレ」
苛立った表情で宮崎さんが言う。
「へ、何が?」
「茶だよ、茶。普通、兄にすぐに持ってくるだろ。使えない妹だな」
「ごめんなさい、先輩の言ってる意味が分からない。第一まだ、私はアンタを兄だなんて認めてないし」
はーあ、ともう一度ため息をついた。
「そういやお前、俺の一つ下だったな。先輩呼びなんてするな。鳥肌が立つ」
「は?」
「分かれ。学校以外で先輩呼びされる不愉快さを。それが相手がお前なら尚更だ。せめて名字にしろ」
遠回しに気持ち悪いと言いたいのか、このイケメンボーイは。
顔が良いからって、調子に乗って腹が立つ。
そういうワガママが許されるのは二次元だけなんだよ。
例えば“トキメキ☆ボーイズ”の葵くん。
『お前はずっと俺の側にいれば良いんだよ。ばーか』ってそっぽ向きながらも、歩くペースは、遅い私に合わせてくれる。
ワガママの先に優しさが見えているから、許される。けれど、宮崎さんの場合はただの横暴だ。可愛くない。
……っと、話が反れてしまった。
「じゃあ、お母さん達の前では何て呼べば良い」
「飲み込み良いな。リリコさんと父さんの前ではお兄ちゃん大好きっ子を演じてろ。俺も良い兄を演じるから」
「そう」
「第一、俺だってお前の事を妹として見れねーし。それはお前も同じだろ?知らない男が兄になるなんてよ」
演じる、ね。
お互いぎこちなく変になるよりかは、表面上だけの付き合いなら楽な気がした。
コイツが兄になるのは不愉快だけど、お母さんの幸せのためなら我慢する。
仕方がないから、認めてやらなくもない。
それに宮崎さんは干渉してこなさそうだ。これなら、私のオタクライフも邪魔されないだろう。
「これから一ヶ月間、お試し期間として俺と父さんは、お前の家に住むらしい。だから、絶対にボロを出すな」
「言われなくても分かってる。お母さんを悲しませたくない」
「……そんなの、俺も同じだ」
宮崎さんはふっと笑った。
人間らしい笑い方も出来るんじゃないか。ただの猫被りかと思えば、……予想外だ。
「だからちゃんとしろよ」
「上等だ、お兄ちゃん」
わざとらしく呼んでみれば期待通り顔を歪めた。ヤメロ、と言いたげな表情に思わず笑みが溢れてしまう。
なんだ、少し面白いじゃないか。
「そのお兄ちゃんっての止めろ。吐き気がする」
「止めてあげるよ。チャラ眼鏡」
「うっせ。俺は猫被りであって、チャラくはない」
「へーへー」
宮崎さんのチャラい、チャラくないの話しはどうでも良い。どちらにしようと関係ない。
と、宮崎さんに背を向けて本を読み始めた時だった。
「あ?何だコレ」