オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
ケントはゲームを起動しながら、ゲラゲラと子供のように笑った。


「やべぇぞ、これ。画面の向こうの男供が俺に囁いてくるんだけど」

「当たり前だ。そういうゲームだから」

「すっげ、ツボる」


しまいにはゲームを下ろして腹を抱えて笑いだした。

こんな、声を大きくして、くしゃくしゃな顔で、笑うんだ。


ーーカシャッ。


「……おい。撮るな」

「や。だって、アンタがそんな笑うなんて珍しくてさ」

ついつい珍しすぎて、気がついた時には撮っていた。

自分でも驚く位、無意識だった。


「それ、消せよ……」


いつもの冷静な表情も、私を上から目線で蔑む態度も取っ払ったみたいだ。

耳まで真っ赤にして、目線を私に合わせようとしない。

でも、手だけは携帯を寄越せと催促している。


こんな顔で言われても怖くないんだけど。


「もしかして照れてるの?うっわ、引くわー」

「うるせーよ」

笑うとますます、赤みが強くなる。


ユウヒ様の恥じらい萌えとか全力で好きだけど、ケントだと何も面白くない。

やっぱり、こういう萌えイベントは三次元じゃなくて、二次元じゃないと。


「まあ、心配しないでもアンタの写真なんか消すから」

「当たり前だ、阿呆」

本当は照れて真っ赤になっているケントを撮りたいけども、さすがに自粛した。

下僕の権限を振り回されるかもしれないからね。

必要以上に迫らない事に、こした事はない。


こないだのサイヤ○写真同様に、消すと見せかけてキチンと保護した。

これもケントの弱味としては十分だ。


まさか、皆はケントがこんな子供っぽく笑うなんて思いもしないだろう。

それを私だけが知ってる。


少しだけ、優越感が沸き上がってきた。
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