オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
食後、すぐに部屋に戻ったケントに合わせて、食べかけの朝御飯をかけこんだ。

ケントは常に早くに家を出てしまうから、その前に聞いてしまわないと。

大急ぎで食べる私に驚いているお母さんは無視して、急いで部屋に戻った。


ケントはちょうど上を脱いで制服に着替えている最中だった。

見られたくないのか、すぐにワイシャツを羽織った。


「……アンタ。私には何を隠してる」

「お前が速く食うなんて、珍しい事もあるもんだな」

ボタンを留めながら、ケントは私を見た。


「話をそらすなよ」

作り物の笑顔は消えて、生気のない瞳が私を捉えた。


「答える程、お前と近い関係じゃねーけど」

その通り、としか言いようがない。

私はただの高校の下級生で、互いの面識もなかった。


けれど今は違う。


「仮にも兄妹なんだから、アンタの事が知りたい。アンタは私の趣味も何もかも知ってるクセに、自分の手札を見せないなんてアンフェアだ」


互いを知らなければ、マトモな演技も出来ない。

このままじゃ、いつかケントのボロがお母さんに見付かるだろう。


バレちゃいけないんだよ。


「最初に言っただろ。俺はお前を妹として見れないって。今更、知りたいだなんて言うんじゃねーよ」

「後から知らなきゃいけないって気付いたんだよ」


だから、どんな些細な事でも良いから言ってほしい。



「自惚れんなよ。お前は同じ部屋に住んでいるただの“知り合い”だ。二度と干渉してくるな」



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