オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
は?この男は今、何と言った?
先程の腹痛が大丈夫か?とでも、聞きたいのか。
ワガママで、乱暴で、私を下僕呼ばわりするのに、仮病を真に受けて、心配してくれた。
「っぷ。アンタが私の心配を?」
「お前が腹が痛いって言ったからだろ」
“同じ部屋に住んでいるだけの知り合い”なのに、心配してくれたんだ?
「アンタって本当に意味が分からない」
必死に笑いを堪えながら、ケントの顔を見た。
吹っ切れた顔はしてるものの、うっすらと頬が赤い。
「……お前もだ」
あっそ、と言い残してから、私は教室に駆けていった。
ケントが私を心配、ねぇ。
改めて口にすると、くすぐられているみたいに、こちょばしくなる。
何故か分からないけれど、足取りが軽くなった気がするけど、絶対にケントの言葉のせいじゃない。
そう思い込んで、荷物を取るとすぐに部室に戻った。
「……よしっ」
次のイベントに参加する時に配布する、無料ペーパーが完成した。
私の大好きなユウヒ様をセンターにして、“花咲く、プリンス物語”のオールキャラを描いてみた。
自分で言うのも何だが、上手くいった。
「あ。次のイベントのやつ?」
アリスは後ろから覗いて、完成した紙を持ち上げた。
「そうっ。次もユウヒ様をメインにした内容にしようと思って」
「相変わらずブレないねー。ところで、私もイベントの為にコスプレ考えてるんだけど、どれが良いかな?」
と、アリスに見せられたメモ用紙には幾何学的な模様が刻まれていた。
……じゃなくて、独特なテイストのキャラ絵が描かれていた。
アリスは手先が器用でどんなキャラの服でも完璧に作ってしまうのだけど、絵を描くのは不得意なのだ。
「ちなみに、これはどのキャラ……?」
「見ての通り、“とらぶるめぇかぁ”のヒロインだよ」
私の記憶違いでなければ、とらぶるめぇかぁのヒロインの妙子ちゃんは江戸時代のクノイチなんだけどな。
とは言わずに頷いた。
「あー、その顔は納得してない顔だ。ちょっと鈴木くん。この女の子、妙子ちゃんに見えるでしょ?」
鈴木くんは、苦笑すると首を傾げた。
「妙子ちゃん自体知りませんが、これを人として見るのは、ちょっと……」
「なにさっ。鈴木くんのクセに私の絵を馬鹿にするのかー」
アリスはわざとらしく鈴木くんを叩いて、泣いたフリをする。
「馬鹿にしてないですよ。ただ、正直に言っただけで……」
「余計、タチが悪いっ!」
鈴木くんとアリスのやり取りを見ていたら、堪えきれなくなって、声を上げて笑ってしまった。
「っぷ。あはははは……おかしいの」
鈴木くんもアリスも、目を丸くして、私を見た。
え、私ったら何か変なことをしてしまったの?
「……今日のルル、やけに上機嫌だね。何か良いことでもあった?」
「えっ、そ、そう?」
何もないよ、と早口に告げて作業に戻った。
まさか、ケントと久しぶりに話せたことで、機嫌が良くなってるはずもないし。
そうだとしても負けた気がするから、自覚したくない。
先程の腹痛が大丈夫か?とでも、聞きたいのか。
ワガママで、乱暴で、私を下僕呼ばわりするのに、仮病を真に受けて、心配してくれた。
「っぷ。アンタが私の心配を?」
「お前が腹が痛いって言ったからだろ」
“同じ部屋に住んでいるだけの知り合い”なのに、心配してくれたんだ?
「アンタって本当に意味が分からない」
必死に笑いを堪えながら、ケントの顔を見た。
吹っ切れた顔はしてるものの、うっすらと頬が赤い。
「……お前もだ」
あっそ、と言い残してから、私は教室に駆けていった。
ケントが私を心配、ねぇ。
改めて口にすると、くすぐられているみたいに、こちょばしくなる。
何故か分からないけれど、足取りが軽くなった気がするけど、絶対にケントの言葉のせいじゃない。
そう思い込んで、荷物を取るとすぐに部室に戻った。
「……よしっ」
次のイベントに参加する時に配布する、無料ペーパーが完成した。
私の大好きなユウヒ様をセンターにして、“花咲く、プリンス物語”のオールキャラを描いてみた。
自分で言うのも何だが、上手くいった。
「あ。次のイベントのやつ?」
アリスは後ろから覗いて、完成した紙を持ち上げた。
「そうっ。次もユウヒ様をメインにした内容にしようと思って」
「相変わらずブレないねー。ところで、私もイベントの為にコスプレ考えてるんだけど、どれが良いかな?」
と、アリスに見せられたメモ用紙には幾何学的な模様が刻まれていた。
……じゃなくて、独特なテイストのキャラ絵が描かれていた。
アリスは手先が器用でどんなキャラの服でも完璧に作ってしまうのだけど、絵を描くのは不得意なのだ。
「ちなみに、これはどのキャラ……?」
「見ての通り、“とらぶるめぇかぁ”のヒロインだよ」
私の記憶違いでなければ、とらぶるめぇかぁのヒロインの妙子ちゃんは江戸時代のクノイチなんだけどな。
とは言わずに頷いた。
「あー、その顔は納得してない顔だ。ちょっと鈴木くん。この女の子、妙子ちゃんに見えるでしょ?」
鈴木くんは、苦笑すると首を傾げた。
「妙子ちゃん自体知りませんが、これを人として見るのは、ちょっと……」
「なにさっ。鈴木くんのクセに私の絵を馬鹿にするのかー」
アリスはわざとらしく鈴木くんを叩いて、泣いたフリをする。
「馬鹿にしてないですよ。ただ、正直に言っただけで……」
「余計、タチが悪いっ!」
鈴木くんとアリスのやり取りを見ていたら、堪えきれなくなって、声を上げて笑ってしまった。
「っぷ。あはははは……おかしいの」
鈴木くんもアリスも、目を丸くして、私を見た。
え、私ったら何か変なことをしてしまったの?
「……今日のルル、やけに上機嫌だね。何か良いことでもあった?」
「えっ、そ、そう?」
何もないよ、と早口に告げて作業に戻った。
まさか、ケントと久しぶりに話せたことで、機嫌が良くなってるはずもないし。
そうだとしても負けた気がするから、自覚したくない。