オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
鈴木くんは、真っ直ぐな眼で私を見て離さない。

いつもだったら反らすのに……そんなに私の絵を気に入ってくれたのだろうか。


「どう、ぞ?」

「……ありがとうございます」

私の絵を胸に抱えて無邪気に笑って、やっぱり不思議。

でも、結構……かなり嬉しい。


「ぶふっ……鈴木くんって単純なヤツ」

突然、アリスは吹き出して作業を止めた。


「なっ、なんですか……触れないでください」

ますます赤くなっていく鈴木くんに対して、アリスは意味ありげな笑顔をぶつける。

部長さんはこのやり取りに慣れているのか、それとも作業に没頭しているのか、顔を上げずに手を動かす。

「いやー、触れたくなっちゃうよ」

チロリと私を見たら柔らかい笑顔を見せるのに、鈴木くんには意地悪な笑顔を使う。

「ルルもそう思わない?」

何の意味かは分からないけど、私も曖昧に頷く。


「ほらー、ルルも言ってるよ。単純だねって」

「ああ、もう。黙ってください」

恥ずかしそうに笑う鈴木くんに、私に見せるのとは違った笑顔のアリス。

なんだか、分からないけど、二人を見ていたら不思議な感情が生まれた。


いいなぁ。

私も、そんな風に笑いたい。


なんて、ね。

自分で想像しただけで恥ずかしくなってしまった。


まだまだ卒業までは時間があるんだ。

最後の日までにはこうやって笑えてたら良いな。

なーんて、自己満足な思考に陥ってしまう。


あーあ、恥ずかしいヤツ。
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