オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
学校になんて、行きたくなかった。

久しぶりに泣いたせいで目がパンパンだし、学校でケントに会えるかもしれないから。

会えたら、今までの関係はゼロだと分かってても駆け寄ってしまうかもしれない。


追いすがる女みたいに醜い真似はしたくない。


お母さんに休みたいと言ったら、すぐに学校に連絡してくれた。

昨日、晩御飯も食べずに部屋から出なかったから、本当に体調を崩したと思ったのだろう。


お願いだから入らないで、という私の言葉を聞いてお母さんは部屋の外にお粥を置いてくれていた。


その親切が身に染みて、余計感傷的な気持ちになる。


ああ、ダメダメダメ。

こんな時はいつでも私を救ってくれたユウヒ様の歌を聞かないと。


ケントに屈しそうになった時に、聞いていたあの歌を。

iPodを取り出して音量を最大にした。

部屋中にユウヒ様の甘い声がこだまする。


“僕が治すから”


中でも、サビのワンフレーズが特に残った。

今の私も、治して欲しいんだ。

心が作り出した幻覚で得た傷を二次元が癒す、なんて滑稽な話だからって何が悪い。


そうだ。私は悪くない。

悪いのは私をこんな風にさせてしまった社会だ!

そもそもは二次元という分野を確立、発達させた日本のせいだ!


ふはは。そう考えたら吹っ切れてきたぞ。

となったら、最近忙しくて溜めてた乙女ゲームでもやろうではないか。


“花咲く、プリンス物語”の隠れルートの攻略法がこないだ出たばかりだったし、ちょうど良い。
< 75 / 114 >

この作品をシェア

pagetop