オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
「可愛いよ!!可愛いよ、ユウヒ様!!……じゃなくて」

“ずっと側にいてくれますか?”

ピコン。


数秒後にユウヒ様が微笑んだ。

『勿論。僕はずっと貴女のモノです』

攻略当初は見せなかった柔らかい笑顔が、今の私の胸を暖めてくれる。


ユウヒ様の笑顔の奥に、ケントの姿がちらつく。

初めてケントを見た時には分からなかったけど、今思えばユウヒ様とよく似ている。

ああ、思い出したくないのに。

今は考えたくないのに。

尽きたと思ったはずの涙が、また落ちてしまう。


乙女ゲームや漫画のヒロインはいつも悲観的で、彼に冷たい態度を取られただけで泣いていた。

たかがそんなこと、と笑っていたけど、今なら理解できる。


あの子達は本気で悲しくて、苦しかったんだ。


「ケン、ト……っ」



「何?」



え。

え、え、え?


ケントの、声が聞こえ、た?

こんなリアルな幻聴が聞こえるなんて、限界にきたのだろうか。


全て全て、ケントに会ったせいだ。

ケントのせいで、変になる。
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