オタクな私にリア充の兄が出来た件wwww
「私?」

ーールル。

あの子の名前が私と同じで喜んだ記憶がある。


自意識過剰じゃないけれど、まさか、あの可愛らしい少女が私を真似たモノなら話は繋がる。

でも、何故、私なんだろう。

面白くも楽しくもない、空気なのに。


「き、気づいてなかったんですか?ああ、だから、勝手に描いた僕のことを気持ち悪いと思わずに一緒にいてくれたんですね」

分かる。

早口になるのは自分を卑下する時のクセだって。

私も、そうだから。


鈴木くんと仲良くなりたかった理由が分かったかもしれない。

私と凄く似ているから、だから、普通に話せたんだ。


「違う」


私と似ているのなら、私と同じところで喜ぶだろう。


「私は鈴木くんが好きだから一緒にいたんだよ」


嫌いじゃないんだ、そうはっきりと言われるのが一番嬉しい。

鈴木くんはタメ口を使いたいって言ってたし、これなら鈴木くんを励ませる。


そう思ったのに、鈴木くんの目は真ん丸で驚いているみたいだった。

あれ、何か失敗した?


「えっと、お話に登場させられるのは少し恥ずかしいけど、リアルに忠実に描いてくれると嬉しいなー。私、あんなに可愛くないからさー」

頭をポリポリ。

でも、目を丸くしたままの鈴木くんは静止画状態。

あれあれ、目が乾いちゃうよ。


「そうそう。今度、あの本の続きを読ませてよ。私をモデルにしたなら余計興味がわくし……」

「……も」

「……も?」


「僕も、星野さんのことが好きで、……だよ」


真っ赤な鈴木くんの顔はいつになく冷静で、でも瞬きをしてないからか目は充血してて。

変な話なんだけど、乙女ゲームを思い出した。

彼らが告白してきた時もこんな感じに突然で、最初はどちらの意味の好きなのか判断出来なかった。


まさに、似ている。


「良かったー。これで私達、真の……」

「恋人になれまし、……なれたね!」

お友達になれたね、と言おうとした口は開いたままふさがらなかった。


あれ。

もしかして、友達としてのライクじゃなくて。


乙女ゲーム同様の愛してる方の好きですか?
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